ランカスター大学 留学記

イギリス Lancaster Universityに大学の派遣生として1年間学部短期留学している大学生のブログ。

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ランカスターに留学を考えている方の参考になれば幸いです。
質問等は、コメントもしくはメールまで:)

 

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雨の国イギリス、雨にやられる(2) 〜数日間の避難生活!?〜

 

前回の記事で、ランカスター水没事件について事の発端を説明させていただきました。

 

yukalancaster.hatenablog.com

 

町一帯が停電してしまったこの事件(笑)

今回は、数日間寮に帰れなかった間のプチ避難生活についてレポートします!

 

 

 

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まず電気が復活するまでの数日間・・・寮に帰れるのは”お昼のみ”でした。

夜は警備員が寮の周りを見回っていて、見つかるとつまみ出された人もいたんだとか!!

寮に夜に帰れないのは、主に2つの理由が。

 

その1、火災報知器が作動しない

電気系統がやられたため、火災報知器がダウン。

もちろん寮の部屋も電気がつかないため→生徒がキャンドルを使用?→火事になっても水が出ないので消化できない、さらに火災報知器も作動しない

もちろんこれが起こってしまうと大事件になりかねないため、私たちは夜の間寮に帰ることを禁止されました。

 

その2、泥棒被害

まさか、この時期に!?そうです、みんなパニックで慌てて部屋を出てきました。

ドア、閉めましたか!?

私たちの寮は無事でしたが、泥棒被害に遭った方もいたそうです。

そのため、生徒の安全確保のためにも夜間の外出は禁止されました。

こんな時に泥棒なんて!と思いましたが、そういえば日本でも同じような事例を聞いたことがあります。何かの騒動に乗じて泥棒・・・。

信じられません!><

 

そのため、生徒はGreat hallと呼ばれる大学の・・・講堂のようなものでしょうか。

そこに集められ、寝泊りするように言われました。

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まさしく避難所ですね。

全くプライバシーのないpublic spaceです(笑)

 

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寝床は確保されましたが、冷蔵庫等も全てダウンしているため、もちろん食料がありません。

大学には2つの小さなスーパーLUSU CentralSparがあります。

LUSU Centralの方は知りませんが、停電後Sparは店内のものを生徒に販売してくれました。(数日後には店内商品全ておじゃんですもんね)

 

ですが、そこは真っ暗。パニック。

店内に入るまでには長蛇の列に並び、店内に入れば携帯のライトを片手に店内で必死に食料を探す他の生徒たちとの熾烈な争いが起こります。

私はキャッシュをかなり持っていたので助かりましたが、もしカード生活をしていたらそれすらもできなかったと思うと、少なくとも数日間生活できるぐらいのキャッシュは常に持っとくべきなのかな、と思いました。

食料と言っても残っていたものはビスケットやチョコばかり。

でもないよりはマシだったので、炭酸水と(お水も売り切れ)腹持ちの良さそうなビスケットとチョコを確保しました!

 

でも、もちろん確保できなかった生徒たちもたくさん・・・

夜には大学から無料の食料が配給されました。

 

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配給所になった大学内にある教会。

人間ってお腹が減るとこんなにもピリピリするんですね。笑

もちろん食料までには長蛇の列で、みんな朝からまともに食べてないしストレスフルな環境にすごくイライラしてました。

まあ、欧米ではこれが普通なのかもしれませんが、日本人の私からすると列に並んでいる時の些細な気遣いとか。道を譲り合うとか。そういう”困った時はお互い様”っていう精神は日本独特なの?って思うほど、ピリピリムードでした。

 

ご飯はきっと街のお店やもちろんSparなどからかき集めたのか、パンとお肉とスープをいただきました。コーヒーと紅茶もTake Freeで、こういうところはお茶の国、イギリスの文化を感じますね。

 

でも、何より気になったのは、教会で働いている方々です。

みなさん、ランカスターに住んでいる方だともいますが、ご高齢の方含め、スタッフみなさんが私たち生徒のために駆けずり回ってくださっていました。

”May I help you?"

なんてセリフをかっこよく言えたら良かったのですが、英語すらままならない私にとっては助けるスキルなんてもちろん持ち合わせてませんし、何よりその教会自体初めて訪れた場所だったので、勝手がわからず足手まといになるのも迷惑だと思い、お礼をきちんと言って去ることにしました。

 

避難している間の数日間、何度もお世話になりましたが、本当に素晴らしい心を持っている方々でとても感銘を受けました。

あの時自分たちも被害を被った一人であるにもかかわらず、懸命に何千人の生徒の面倒を見てくれた教会の方々、大学の職員、そして警備員さん。私たちはついつい与えられることを”当たり前だ”と勘違いしてしまいがちですが、今回の事件では多くの方に感謝の言葉を伝えなければならないと強く思いました。

 

 

 

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場所は戻って、こちらはGreat Hallの様子です。

布団を持ち込みお泊まり体制バッチリの人もいますね(笑)

 

大学からはフリーのBedding packが配られ、私も1つゲットしました!

夏のEAPコースの時には有料で買ったというのに!笑

(おかげで今は2つの布団を重ねて使用し、寒い冬も越せそうだと安堵していますが。笑)

 

 

停電以降、Wifiも電気も水道もほぼ全部が止まってしまっていた大学ですが、その日の夜には特定の場所にのみ、電気や水道、そして時にはWifiも!使えるようになりました。

(これはStudy roomの様子。次の日からはLICAでも微弱ながらに使えたらしいです)

 

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私はもともとすごく夜型の人間なので(笑)夜の間はここでエッセイを書いたり、映画を見たり。そして、朝になったら寮に帰ってベッドで寝る・・・という昼夜逆転生活をしていました!笑

 

久しぶりに日本人のみんなとも集まれたし。

避難生活とはいえ、試験やエッセイ期限も伸びたため久しぶりにのんびりとした時間を過ごしました。

 

今回の洪水によって経験した避難(と言えるのかすら怪しい)生活は、本当に震災などで被災した方々の経験とは懸け離れたものだと思いますが、今回の生活を通していかに私たちの生活がインフラ設備に依存しているのかということを思い知りました。

 

私はインドやバングラデシュ、フィリピンなど途上国を訪れた経験がありますが、たとえ途上国に数週間滞在していたとしても、私は電気がない、水が流れないという経験はしたことがありませんでしたし、むしろパソコンもwifiもホテルに帰れば使える環境にいました。

 

私たちは、彼らの現状についてわかったつもりになっていただけで、本当の意味では全くわかっていなかったのかもしれません。

 

トイレに行けない、お風呂に入れない。

寒いイギリスなら数日間我慢することは軽いことですが、これがインドなど30度を超えることろで起こるとどうなるか。想像に難くありません。

 

そして私たちの生活の多くが、見えないところで様々な人に支えられて成り立っていること。

普段忘れていたことを思い出させてくれるきっかけにもなりました。

 

この経験は、のちにドイツで訪れた難民キャンプでの食前ボランティアにて、

素早く・効率よく・平等に・笑顔で!

という私の小さなモットーを持つきっかけになりました。

 

 

それはまた、休暇旅行シリーズにて書きたいと思います!:)

see you soon!

YUKA